
「ばらの博物館がほしい!」鈴木省三氏のこの意志に動かされるように、すべては始まりました。
前原克彦氏、野村氏とを中心に作り上げてこられた NPO団体「バラ文化研究所」アルバから草ぶえへの発展の歩みと展望、取り巻く人々の力についてなどさまざまなお話を伺いました。
●京成バラ園芸研究所の移転にともなって百数十種の親木を譲り受けることになったのがローズガーデンアルバ発足のきっかけ。 私財を投げ打っての熱中や転地に関わる苦労とともに、多くのバラ愛好家のボランティアが集まる場となり、またバラ雑誌に紹介などの好機にめぐまれたこと、多くの注目や支援を集め現在の形へとつながった。
●約10年後大きな成果をあげてきたアルバでの活動であったが、この財産をさらに発展、後継に繋いでいくために行政と組むことを決断、アルバの3倍の面積となった草ぶえの丘には、バラ苗800種、1800株を佐倉市に寄贈、移植した。
●NPO団体職員は規定上給与を得ることは許されているが、入園料などの収入が公共の運営に組み込まれた今では、厳しい予算くりのなか、事務作業等を取る方のみアルバイトを設定して、あとはみなボランティアで運営。
●自身の活動を振り返っても、非常にハードではあったが、誰のためでもなく、結局、自らのためにボランティアで労力、知力を提供していること、参加者にはみなこのような考えて集まってもらっている。幸い様々なスペシャリストがあり、力を合わせて、仲間との交流を楽しみながら造園作業などにあたっている。特に、同じ目的を分かち合った仲間と作業のあとのいっぱいのお茶には 幸せを感じるものである。
●現在の草ぶえの丘バラ園にはバラ文化研究所と鈴木省三記念博物館が備えられて日本でのバラ愛好研究の大きな拠点となっている。
●今後の展望 尽きない夢は、バラの研究、生育、ガーデンの充実に留まらず、文化的な価値を高め、世界各国との交流や情報発信も視野に入れた活動へと広がっている。

*当会の活動の様子や会員の熱意を たいへん喜んでいただいているようで、東大や目黒区との関わりあいと共に活動する点を草ぶえという公共の公園施設の一部としてのあり方において 共通の立場があるように思うとねぎらっていただき、たいへんうれしく感じました。(Mm)
*皆熱心に、お話を伺いました。


●野村 和子氏 略歴
(NPOバラ文化研究所 副理事長) 恵泉女子短期大学園芸科卒業。京成バラ園芸研究所で.鈴木省三氏のもとでバラを系統的に分類、整理をし、氏の意思を受け継ぐとともに、講演会や多数の著書でバラの魅力を紹介するなど、バラの普及啓蒙に尽力されています。
バラ文化研究所設立、ローズガーデン・アルバの運営を経て、現在は、草ぶえの丘バラ園(千葉県佐倉市)の運営に携わる。千葉市花の美術館みどりの相談員【平成20年.度園芸文化賞受賞】
*こちらの記事は野村先生に許可をいただいて掲載しています。